名古屋地方裁判所豊橋支部 昭和43年(ワ)302号 判決
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〔編注〕 (1) 本件は、作業場内トロッコ運転操作の過失にもとづく作業員死亡事故である。
(2) 本件については、同旨の浦和地判昭三二年一一月二八日(不法下民昭三二年上三二六)と、家事労働評価分も斟酌した東地判昭四二年一一月一三日(本誌二一五号一一〇頁)を参照されたい。
〔判決理由〕被害者の逸失利益
<証拠>を総合すると被害者は被告会社に人夫として勤務し、事故当時一日九〇〇円の収入を得ていたこと、いわゆる兼業農家として被害者は田約三反歩を耕作していたほか、主婦として家事労働に従事していたことが認められる。被害者の労働力の評価について原告等は家政婦の収入を基準として算定すべきであると主張するが、前記収入が存する以上、右賃金により算定するを相当と解するので、右により被害者久子の逸失利益について判断する。
<証拠>によれば、被害者久子は、本件事故当時満五一歳の健康な女子であつたことが認められ、厚生省統計調査部発行の第一一回生命表によれば、満五一歳の女子の平均余命は25.17年であるから、被害者は本件事故に遭わなければ右程度の期間生存し、満六三歳に達するまでの一二年間は人夫として労働をなし得たものと推認することができる。被害者は一カ月二五日間就労するものとして一カ年三〇〇日稼働することによる収入は金二七万円となり、同人の生活費はその二分の一と認めるのが相当である。
そこで右年収から生活費を控除した金額を基準として前記一二年分につきホフマン式計算法によつて年五分の割合による中間利息を年毎に控除して得た本件事故当時の現価は金一二四万四〇二五円となり、これが被害者久子の逸失利益である。(鈴木昭隆)